競馬用語『抽せん馬』の歴史と現在
ギャンブル初心者
先生、『抽せん馬』って何ですか?
ギャンブル研究家
うん、いい質問だね。抽せん馬というのは、中央競馬会が購買した競走馬のことだよ。均一価格で馬主に売却、分配されたんだよ。
ギャンブル初心者
なぜそんな制度があったんですか?
ギャンブル研究家
競走馬の資源確保と新規馬主の開拓のために行われてきたんだ。今は『JRA育成馬』という名称に変更されていて、馬名には『(抽)』の表記もなくなっているんだよ。
抽せん馬とは。
競馬用語で「抽選馬」とは、日本中央競馬会(JRA)が開催するセリ市で購買した競走馬のことです。JRAはこれらの馬を抽選で均一価格で馬主に販売・譲渡していました。
この制度は競走馬の確保と新規馬主の育成を目的として導入されました。しかし近年、見直しの結果、平成15年からは名称が「JRA育成馬」に変更され、同年度に販売された馬以降、馬名に「(抽)」の表記がされなくなりました。
抽せん馬制度の目的と仕組み
-抽せん馬制度の目的と仕組み-
抽せん馬制度は、競馬における公正性を確保し、より多くの人にチャンスを与えることを目的としています。この制度では、出走馬の数が定員を超えた場合、抽選によって出走馬を決めます。
抽せん馬は、主に人気薄の馬が選出されます。これは、人気馬が優先的に出走できるためで、人気薄の馬にも出走の機会を与えることで、レースの競走性を高める狙いがあります。
抽選方法は、各レースごとに異なりますが、一般的には以下の手順で行われます。まず、出走を希望する馬を対象に抽選が行われ、抽選に当たった一定数の馬が出走馬として決定されます。残りの馬は、補欠馬となり、出走馬に故障などが出た場合に繰り上がりで出走することが可能になります。
抽せん馬の由来と特徴
競馬の抽せん馬とは、レースの頭数が規定より多い場合に、抽選によって出走が認められる馬を指します。この制度は、競走馬の質の向上やレースの安全性を確保することを目的として1900年代初頭に導入されました。
抽せん馬の特徴としては、出走が抽選によって決まるため、出走実績や人気度にかかわらず出走機会を得ることができる点が挙げられます。また、抽選馬として出走した馬の中には、過去に大きなレースで勝利した実績を持つ馬もおり、波乱を巻き起こすことも少なくありません。
抽せん馬の活躍と名馬たち
抽せん馬の活躍と名馬たち
抽せん馬の歴史において、多くの名馬が誕生しました。中でも特筆すべきは、1973年の日本ダービーを制したコーネルランサーです。抽せん馬でダービーを制覇したのは、これが初めてであり、その快挙は競馬史に燦然と輝いています。また、1980年代には、同じく抽せん馬の出走からクラシック制覇を成し遂げたミホシンザンも記憶に新しい名馬です。さらには、1990年代には、父が抽せん馬のラキチャンネルが、クラシック2冠を達成するなど、抽せん馬がトップクラスで活躍し続ける歴史を紡いできました。
制度の見直しと廃止の背景
競馬業界では、近年「抽せん馬制度」をめぐる議論が活発になっています。かつて導入されたこの制度は、出走馬の機会均等を図り、競馬の競走レベルを向上させることを目的としていました。
しかしながら、抽せん馬制度は徐々にその限界を露わにしていきました。出走馬の質が低下し、競走のレベルが低下したのです。また、抽せん馬が上位に進出する機会が限定されていたため、生産者や馬主のやる気を削ぐ結果となりました。
JRA育成馬制度への移行
JRA育成馬制度への移行
昭和43年に公営競馬の馬券発売が統一され、中央競馬と地方競馬が誕生すると、抽せん馬制度は大きく変化を遂げました。昭和46年には、日本中央競馬会(JRA)が創設され、JRA育成馬制度が導入されました。この制度では、JRAが募集した未調教馬に対して育成資金を貸し付け、生産者と契約して育成を行いました。育成期間は2年で、その後、馬主の所有権に移され、競走馬としてデビューしました。JRA育成馬制度は、生産者の経営安定化と良質競走馬の生産育成を目的としており、抽せん馬制度から大きく進化した形と言えます。