競馬の用語『マルタンガール』の解説

競馬の用語『マルタンガール』の解説

マルタンガールとは？

-マルタンガールとは？-

マルタンガールとは、競走馬の馬具のひとつで、馬の胸部から腹部に装着されます。主に馬の頭を上げ過ぎないように制御し、バランスを保つ役割を持っています。また、騎手の体重が馬の背中に集中しないように分散させる効果もあります。レース中の障害を飛び越える際に、馬の頭が障害物にぶつかるのを防ぐ役割も果たします。マルタンガールの種類には、固定式と可動式があり、馬の性格やレースの種類に応じて適したものが選択されます。

マルタンガールの種類

-マルタンガールの種類-

マルタンガールには、用途や仕組みによってさまざまな種類があります。最も一般的なのは、馬の頭部に装着される「伝統的マルタンガール」です。このタイプのマルタンガールは、馬の頭部があまりに高く持ち上がらないようにするもので、障害飛越やポロなどのスポーツで使用されます。

また、「立ちマルタンガール」と呼ばれる、馬の胸部に取り付けるマルタンガールもあります。立ちマルタンガールは、伝統的なマルタンガールよりも馬の頭を低く保つように設計されており、馬の背中を保護するのに役立ちます。

さらに、「ハンター用マルタンガール」と呼ばれる、障害飛越競技で使用されるマルタンガールがあります。ハンター用マルタンガールは、立ちマルタンガールよりも短い設計になっており、馬の動きを妨げないようにしながらも頭を低く保つように作られています。

スタンディングマルタンガール

「スタンディングマルタンガール」は、立った状態の馬に対して使用するマルタンガールです。通常のマルタンガールが馬が走っている状態を想定していますが、スタンディングマルタンガールは馬が止まっているときや移動しているときに用いられます。

スタンディングマルタンガールの目的は、馬の頭を高く持ち上げることを助けることです。これは、馬が正しく食べるのを助けるため、またはトレーニングの一環として馬の首を伸ばす必要がある場合に使用されます。また、馬を調教する際に、馬が頭を下げることを妨げるためにも使用されます。

ランニングマルタンガール

ランニングマルタンガールは、頭絡と鞍の間につける短いタイプのマルタンガールです。馬の頭を過度に上げたり下げたりするのを制限し、障害レースやクロスカントリーレースなどのジャンプ競技でよく使用されます。ランニングマルタンガールは、通常のマルタンガールよりも短いだけでなく、伸縮性のある素材で作られており、馬が障害物を跳ぶ際に頭部を自由に動かせる柔軟性を確保します。また、負荷のかかり具合に応じて伸縮する仕組みになっており、馬が障害物を跳ぶ際に過度な圧力がかからないようになっています。

アイリッシュマルタンガール

競馬における「アイリッシュマルタンガール」とは、特定の騎乗スタイルを指す用語です。これは、騎手が鞭を馬の両側の脚に交互に使用し、馬にペースを維持させるスタイルです。このスタイルは、馬がコーナーを曲がるときに速さを維持するのに役立ちます。ただし、このテクニックは騎手にとって非常に体力的負担がかかります。名称の由来は、この騎乗スタイルがアイルランドの騎手によって最初に使用されたことに由来しています。

ビッブマルタンガール

-ビッブマルタンガール-

ビッブマルタンガールは、通常のマルタンガールの変種で、馬の胸部を一周するストラップではなく、馬の腹部にベルトを巻くタイプのマルタンガールです。このベルトは馬の両腹骨の下を通って、胸部と側面で革のビブ（胸当て）で留められます。

ビッブマルタンガールの利点は、馬の頭部をより柔軟に動かすことができる点にあります。これは、馬が低い障害物を越える場合や、障害物へのアプローチを調整する場合など、繊細な口元操作が必要なときに役立ちます。また、ビッブマルタンガールは、馬が暴走したり、障害物を飛び越えたりするのを防ぐために使用されることもあります。