競馬のスターター「ウッド式発馬機」と使い方

競馬のスターター「ウッド式発馬機」と使い方

ウッド式発馬機の仕組みと歴史

ウッド式発馬機の歴史は古く、1936年にアメリカ人調教師 アーニー・ウッド によって発明されました。この装置は、従来のゲート式スタートに代わる、より安全で効率的な方法を提供しました。ウッド式発馬機は、馬が勢いよくスタートするために必要な速度とタイミングを制御するように設計されています。

この装置の仕組みは単純です。発走地点の後ろにバーが設置され、馬の後ろ脚の間に挿入されます。スターターの合図で、バーが約1.2メートルの高さまで上昇し、馬を拘束します。馬が十分な速度とタイミングを獲得すると、スターターがレバーを操作してバーが開放され、馬がスタートを切ります。

発馬機の種類と特徴

競馬の発馬機には、大きく分けて「ゲート式」と「ウッド式」の2種類があります。

ゲート式は、スタート地点に設置された1頭分の大きな門扉で、馬の頭部を挟み込んで閉じます。発走員（スターター）がボタンを押すとすべての門扉が同時に開いて馬を解き放ちます。この方式は、馬がスタートラインで整列してスタートするため、公正な発走が行えます。

一方、ウッド式は、スタート地点に設置された複数の小さなスタートボックスで、馬を1頭ずつ離して収容します。発走員がロープを引き、スタートボックスの扉を開けて馬を同時に飛び出させます。この方式は、馬がゲートに挟まれるなどの事故を防ぎ、より安全な発走を図っています。

発馬機の使い方と注意点

発馬機の使い方と注意点

ウッド式発馬機の使用方法は比較的シンプルです。スターターがボタンを押すと、各馬房の扉が開き、馬はスタートラインに向かって駆け出します。ただし、以下のような注意点があります。

* 馬房の扉は手動で開くため、ゲートの操作に慣れた経験豊富なスターターが操作する必要があります。
* 馬はスタート時に突然大きく動くため、ゲートの周囲には十分なスペースを確保する必要があります。
* 馬がスタートを嫌がったり、ゲート内に落ち着かない場合には、ゲートの開口部を調整したり、安全のため馬を外に出す必要があります。

発馬機に関するトラブルと対処法

発馬機に関するトラブルと対処法 発馬機システムには、以下のようなトラブルが発生する場合があります。

* -ゲート不作動- ゲートが適切に開かない場合、手動でゲートを開けるか、発馬をやり直す必要があります。
* -馬の暴走- 馬がゲートから飛び出す場合、ジョッキーは馬を制御しようとしなければなりません。場合によっては、馬がゲートに戻されることもあります。
* -機器の故障- 発馬機やセンサーが故障した場合、修理または交換が必要になります。このような事態に備えて、予備の部品を準備しておくことが重要です。
* -誤発動- 意図せずに発馬機が作動した場合、騎手は馬をゲートに戻し、発馬をやり直さなければなりません。
* -ゲートの歪み- ゲートが変形または歪んだ場合、馬が傷つく可能性があります。この場合は、発馬機を修理または交換する必要があります。

発馬機の活用による競馬の公正性向上

競馬において、公正性確保のために不可欠な役割を果たしているのが「ウッド式発馬機」です。この発馬機を利用することで、スタートライン上で馬の横並びが均一となり、どの馬にも公平なスタート機会が与えられます。

この発馬機は、幅約12メートルのゲート内に馬を収容し、ゲートの先端に取り付けられた可動式の扉を開閉させてスタートさせます。扉を開放するタイミングはリモートコントロールされ、すべての扉が同時に開くことで、馬が同時に飛び出せる仕組みになっています。これにより、スタート時に馬が押し出されたり、他馬を妨害したりする可能性が低減し、レースの公正性が向上します。